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7.32024
グループホーム(共同生活援助)の報酬について
令和6年4月より、障害福祉サービス等の報酬が改定されました。
令和6年度の報酬改定による“グループホーム(共同生活援助)”の報酬について確認いたしましょう。
障害福祉サービス施設の報酬
障害福祉サービス施設の指定事業所となると、毎月の請求により国から給付金が支給されます。
給付金は、障害福祉サービスの種類や利用者数、施設を置く地域(地域区分単価)などにより変わります。
この得られる給付金が障害福祉サービス施設の報酬、つまり売上となります。
この報酬には、基本報酬と加算があり、それぞれ基準となる単価が定められています。
給付金計算方法
(基本報酬単価+加算)×地域区分単価 となります。
※地域区分単価は、障害福祉サービスの種類、施設を置く地域によって異なります。
地域区分単価:グループホーム(共同生活援助)の場合
1級地:11.60円 2級地:11.28円 3級地:11.20円 4級地:10.96円 5級地:10.80円 6級地:10.48円 7級地:10.24円 その他:10円
1級地は、東京都23区となります。
茨城県では、牛久市が4級地、水戸市や日立市などが5級地、わたしの事務所のある茨城県神栖市はその他となっております。
障害福祉サービス施設の開業に際しては、施設を置く地域の検討も重要となります。
グループホーム(共同生活援助)の報酬単価
ここから障害福祉サービス“グループホーム(共同生活援助)”の報酬単価についてみていきます。
※参照:障害者総合支援法 事業者ハンドブック 報酬編 2024年度版
基本報酬
【1】共同生活援助サービス費
イ.共同生活援助サービス費(Ⅰ):世話人の配置(6:1以上)
(1)障害支援区分6 : 600単位/日
(2)障害支援区分5 : 456単位/日
(3)障害支援区分4 : 372単位/日
(4)障害支援区分3 : 297単位/日
(5)障害支援区分2 : 188単位/日
(6)障害支援区分1以下 : 171単位/日
ロ.共同生活援助サービス費(Ⅱ):体験利用
(1)障害支援区分6 : 717単位/日
(2)障害支援区分5 : 569単位/日
(3)障害支援区分4 : 481単位/日
(4)障害支援区分3 : 410単位/日
(5)障害支援区分2 : 290単位/日
(6)障害支援区分1以下 : 273単位/日
ハ.個人単位で居宅介護等を利用する場合(特例)
(1)障害支援区分6 : 369単位/日
(2)障害支援区分5 : 306単位/日
(3)障害支援区分4 : 270単位/日
【2】日中サービス支援型共同生活援助サービス費
イ.共同生活援助サービス費(Ⅰ):世話人の配置(5:1以上)
(1)障害支援区分6 : 997単位/日
(2)障害支援区分5 : 860単位/日
(3)障害支援区分4 : 771単位/日
(4)障害支援区分3 : 524単位/日
ロ.共同生活援助サービス費(Ⅱ):体験利用
(1)障害支援区分6 : 1168単位/日
(2)障害支援区分5 : 1028単位/日
(3)障害支援区分4 : 938単位/日
(4)障害支援区分3 : 672単位/日
ハ.日中を当該共同生活住居以外で過ごす場合:世話人の配置(5:1以上)
(1)障害支援区分6 : 765単位/日
(2)障害支援区分5 : 627単位/日
(3)障害支援区分4 : 539単位/日
(4)障害支援区分3 : 407単位/日
(5)障害支援区分2 : 270単位/日
(6)障害支援区分1以下 : 253単位/日
二.日中を当該共同生活住居以外で過ごす場合:体験利用
(1)障害支援区分6 : 929単位/日
(2)障害支援区分5 : 787単位/日
(3)障害支援区分4 : 695単位/日
(4)障害支援区分3 : 546単位/日
(5)障害支援区分2 : 408単位/日
(6)障害支援区分1以下 : 389単位/日
ホ.個人単位で居宅介護等を利用する場合(特例)
・日中を当該共同生活住居で過ごす者
(1)障害支援区分6 : 565単位/日
(2)障害支援区分5 : 505単位/日
(3)障害支援区分4 : 467単位/日
ヘ.個人単位で居宅介護等を利用する場合(特例)
・日中を当該共同生活住居以外で過ごす者
(1)障害支援区分6 : 454単位/日
(2)障害支援区分5 : 394単位/日
(3)障害支援区分4 : 356単位/日
退居後共同生活援助サービス費 : 2000単位/月
【3】外部サービス利用型共同生活援助サービス費
イ.(Ⅰ)世話人の配置(6:1以上) : 171単位/日
ロ.(Ⅱ)世話人の配置(10:1以上) : 115単位/日
ハ.(Ⅲ)世話人の配置(体験利用) : 273単位/日
退居後外部サービス利用型共同生活援助サービス費 : 2000単位/月
加算の種類
障害福祉サービス施設の報酬には、上記基本報酬の他に加算があります。
“グループホーム(共同生活援助)”には、以下の様な加算があります。
- 人員配置体制加算
<介護包括型>
イ.人員配置体制加算(Ⅰ) 世話人の配置(12:1以上) :77~83単位/日
ロ.人員配置体制加算(Ⅱ) 世話人の配置(30:1以上) :31~33単位/日
ハ.人員配置体制加算(Ⅲ) 世話人の配置(12:1以上)、個人単位特例 :84単位/日
二.人員配置体制加算(Ⅳ) 世話人の配置(30:1以上)、個人単位特例 :33単位/日
<日中サービス支援型>
ホ.人員配置体制加算(Ⅴ) 世話人の配置(7.5:1以上) :121~138単位/日
ヘ.人員配置体制加算(Ⅵ) 世話人の配置(20:1以上) :45~53単位/日
ト.人員配置体制加算(Ⅶ) 世話人の配置(7.5:1以上)、日中住居以外 :112~131単位/日
チ.人員配置体制加算(Ⅷ) 世話人の配置(20:1以上)、日中住居以外 :42~50単位/日
リ.人員配置体制加算(Ⅸ) 世話人の配置(7.5:1以上)、個人単位特例 :134単位/日
ヌ.人員配置体制加算(Ⅹ) 世話人の配置(20:1以上)、個人単位特例 :50単位/日
ル.人員配置体制加算(Ⅺ) 世話人の配置(7.5:1以上)、個人単位特例、日中住居以外 :128単位/日
ヲ.人員配置体制加算(Ⅻ) 世話人の配置(20:1以上)、個人単位特例、日中住居以外 :49単位/日
<外部サービス利用型>
ワ.人員配置体制加算(ⅩⅢ) 12:1 :73単位/日
カ.人員配置体制加算(ⅩⅣ) 30:1 :28単位/日 - 福祉専門職員配置等加算
イ.福祉専門職員配置等加算(Ⅰ):10単位/日
ロ.福祉専門職員配置等加算(Ⅱ):7単位/日
ハ.福祉専門職員配置等加算(Ⅲ):4単位/日 - 視覚・聴覚言語障害者支援体制加算
イ.視覚・聴覚言語障害者支援体制加算(Ⅰ):51単位/日
ロ.視覚・聴覚言語障害者支援体制加算(Ⅱ):41単位/日
- 看護職員配置加算:70単位/日
- 高次脳機能障害者支援体制加算:41単位/日
- ピアサポート実施加算:100単位/日
- 退居後ピアサポート実施加算:100単位/日
- 夜間支援等体制加算
イ.夜間支援等体制加算(Ⅰ):30~672単位/日※
ロ.夜間支援等体制加算(Ⅱ):15~112単位/日※
ハ.夜間支援等体制加算(Ⅲ):10単位/日
二.夜間支援等体制加算(Ⅳ):30~60単位/日※
ホ.夜間支援等体制加算(Ⅴ):15~30単位/日※
へ.夜間支援等体制加算(Ⅵ):15~30単位/日※
※夜間支援対象利用者の数、障害支援区分により変動 - 夜勤職員加配加算:149単位/日
- 重度障害者支援加算
イ.重度障害者支援加算(Ⅰ):360単位/日 +α
ロ.重度障害者支援加算(Ⅱ):180単位/日 +α - 医療的ケア対応支援加算:120単位/日
- 日中支援加算
イ.日中支援加算(Ⅰ):270~539単位/日
ロ.日中支援加算(Ⅱ):135~539単位/日 - 集中的支援加算
イ.集中的支援加算(Ⅰ):1000単位
ロ.集中的支援加算(Ⅱ):500単位 - 自立生活支援加算
イ.自立生活支援加算(Ⅰ):1000単位 +α
ロ.自立生活支援加算(Ⅱ):500単位
ハ・自立生活支援加算(Ⅲ):40~80単位 - 入院時支援特別加算:561~1122単位/回
- 長期入院時支援特別加算:76~122単位/日
- 帰宅時支援加算:187~374単位/回
- 長期帰宅時支援加算:25~40単位/日
- 地域生活移行個別支援特別加算:670単位/日
- 精神障害者地域移行特別加算:300単位/日
- 強度行動障害者地域移行特別加算:300単位/日
- 強度行動障害者体験利用加算:400単位/日
- 医療連携体制加算
イ.医療連携体制加算(Ⅰ):32単位/日
ロ.医療連携体制加算(Ⅱ):63単位/日
ハ.医療連携体制加算(Ⅲ):125単位/日
二.医療連携体制加算(Ⅳ):400~800単位/日
ホ.医療連携体制加算(Ⅴ):500単位/日
へ.医療連携体制加算(Ⅵ):100単位/日
ト.医療連携体制加算(Ⅶ):39単位/日 - 通勤者生活支援加算:18単位/日
- 障害者支援施設等感染対策向上加算
イ.障害者支援施設等感染対策向上加算(Ⅰ):10単位/月
ロ.障害者支援施設等感染対策向上加算(Ⅱ):5単位/月 - 新興感染症等施設療養加算:240単位/日
- 福祉・介護職員処遇改善加算
イ.福祉・介護職員処遇改善加算(Ⅰ):所定単位数の14.7%
ロ.福祉・介護職員処遇改善加算(Ⅱ):所定単位数の14.4%
ハ.福祉・介護職員処遇改善加算(Ⅲ):所定単位数の12.8%
二.福祉・介護職員処遇改善加算(Ⅳ):所定単位数の10.5%
※外部サービス利用型共同生活援助に関しては、加算の値が異なります。
報酬の計算例
それでは、下記の“グループホーム(共同生活援助)”施設を例に報酬額を計算してみましょう!
- “グループホーム(共同生活援助)”施設 「フレンディ(仮名)」:介護サービス包括型
- 所在地:茨城県水戸市(地域区分5級地) ※地域単価 10.80円
- 定員:7人
- 障害支援区分4の利用者2人と障害支援区分3の利用者5人が居住
- 人員配置: 6:1
共同生活援助サービス費(Ⅰ):世話人の配置(6:1の場合)
区分4 : 372単位/日
区分3 : 297単位/日 - 夜間支援従事者1日1人
- 常勤の生活支援員の1人が社会福祉士の資格を有している
- 夜間支援等体制加算(Ⅰ)
夜間支援利用者:7名
区分4 : 192単位/日
区分3 : 160単位/日 - 福祉専門職員配置等加算(Ⅰ):10単位/日
- 福祉・介護職員処遇改善加算(Ⅲ):所定単位数の12.8%
【報酬計算】
(a)基本報酬
区分4 372単位/日×2人
区分3 297単位/日×5人
(b)夜間支援等体制加算(Ⅰ)
区分4 192単位/日×2人
区分3 160単位/日×5人
(c)福祉専門職員配置等加算(Ⅰ)
10単位/日×7人
→区分4:(a)372単位+(b)192単位+(c)10単位=574単位/日
→区分3:(a)297単位+(b)160単位+(c)10単位=467単位/日
⇒574単位×区分4利用者2人+467単位×区分3利用者5人=3,483単位/日
(d)福祉・介護職員処遇改善加算(Ⅱ)
(基本報酬+加算)の12.8%
⇒3,483単位+3,483単位×(d)12.8%=3,929単位/日
この施設の地域単価(地域区分5級地=10.80円)より、
⇒3,929単位/日×10.80円(地域単価 )=42,433円/日
この施設が1か月=30日稼働して、
➡42,433円/日×30日(1か月)=1,272,990円/月
この施設の同月の報酬は、1,272,990円となります。
このように“グループホーム(共同生活援助)”施設の報酬は計算されます。
基本報酬は、利用者1人当たりの世話人の数や利用者の障害支援区分によって変わります。
但し、障害支援区分が高くなると、生活支援員が必要であり、サービスの提供も増えるかもしれません。
利用者の障害支援区分とサービスの提供を行う上での人員バランスをしっかりと考慮しなければいけません。
障害福祉サービス “グループホーム(共同生活援助)” の報酬(売上)を上げる為には、基本報酬を上げると共にいかに加算を加えていくことが出来るかが重要となります。
但し、やみくもに加算を増やし、従業員の負担を増やし、利用者へのサービスを低下させてしまっては意味がありません。
施設運営の向上、利用者へのサービス向上、従業員のモチベーションの向上などが得られる様に加算を加えることが大切ですね!
たなか行政書士事務所では、障害福祉サービス施設様の運営サポートを行っております。
主に、茨城県 鹿行地域(神栖市、鹿嶋市、潮来市、行方市、鉾田市)、千葉県 北東部(銚子市、香取郡東庄町、香取市、旭市)に所在されておられます障害福祉サービス施設様のサポートを承っております。
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※このブログは、2023年11月9日のブログ「グループホーム(共同生活援助)の報酬について」をリライトしたものです。