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9.292023
相続時における単純承認、限定承認、相続放棄についてわかりやすく解説します!
相続の放棄と承認とは
相続が開始すると、相続人は自分の意志とは関係なく、亡くなられた方(被相続人)の財産を全て引き継ぐことになります。
プラスの財産だけならいいですが、多額の借金や保証債務などのマイナスの財産があったとしても、全て相続することになってしまうのでしょうか?
そんなことはありません。相続人となった際に、相続をするか否かについて相続人に選択できる余地が認められています。
これが民法で定められている“相続の放棄と承認”という制度であり、相続方法を選択することができるのです。
その相続方法には、単純承認、限定承認、相続の放棄の三つの方法があります。
相続の承認及び放棄をすべき期間
相続の承認、相続の放棄をすべき期間は民法に規定さています。
限定承認、相続の放棄をするには、相続人が自己のために相続の開始を知った時から3か月以内に家庭裁判所に届け出なければなりません。
この期間を経過してしまと自動的に「単純承認」したものとなりますので注意が必要です。
民法第915条【相続の承認又は放棄をすべき期間】
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単純承認
単純承認とは、相続人が被相続人の財産を全て受け継ぐことです。
プラスの財産もマイナスの財産も全て相続することになります。
プラスの財産の方が多いと思っていたら、実は被相続人に保証債務があり、相続の収支が赤字で、相続人がその分を返済しなければならないかもしれません。
十分な財産調査を行ってからの判断が必要ですね。
民法第920条【単純承認の効力】 民法第921条【法定単純承認】
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限定承認
限定承認とは被相続人が残したマイナスの財産(借金や保証債務など)を、プラスの相続財産を限度で弁済するという方式です。
いくらマイナスの財産が多くてもプラス分が尽きたらおしまい。相続人が自己の財産を持ち出してまで、弁済する必要はありません。
またプラスの財産でマイナス財産を相殺し余った額は相続人のものとなります。
ただし、この限定承認をするためには、プラスの財産がどのくらいあるのか明確に調査し、目録を作成したうえで家庭裁判所に申し立てしなければなりません。
また相続人が複数いる場合は、相続人全員で限定承認をしなければなりません。
上記の通り、限定承認をするには相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月と期間が定められています。
その間に被相続人の財産の調査や他相続人の意向の確認であったり、債権者への対応なども必要かもしれません。
限定承認は、相続人の財産は安全ですが、面倒な手続きや時間、費用が掛かってしまうようです。
民法第922条【限定承認】 民法第923条【共同相続人の限定承認】 民法第924条【限定承認の方式】 |
相続放棄
相続放棄とは、相続の効果を確定的に消滅させることを意味します。
被相続人に多額の借金があったとしても相続の放棄をした相続人は、その返済義務も消滅することになります。
ただし、プラスの財産だけ受け取るというような個別の放棄はすることは出来ません。
民法の規定にある通り、相続の放棄をした者は、その相続に関しては初めから相続人とならなかったものとみなされるのです。
この相続の放棄をするには、上記の通り自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月と期間が定められています。
民法第938条【相続の放棄の方式】 民法第939条【相続の放棄の効力】 |
今回、相続・遺言書作成の基礎知識として「相続の放棄と承認」について解説しました。
突然、相続人になるときが来てしまうかもしれません。
相続方法には、単純承認、限定承認、相続の放棄の三つの方法があるんだよ!ということを知っておくことは、決して無駄ではないと思います。
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