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公正証書遺言の作成の流れから必要書類や費用などをわかりやすく解説します

公正証書遺言とは

公証役場で公証人によって、作成、保管してもらう遺言書です。
公証人は、法務大臣が判事、検事、弁護士として法律実務に携わった者の中から任命する法務局所属の特別公務員です。
正確な法律知識と豊富な実務経験を有した公証人が遺言書を作成し、公証役場にて保管してくれますので、ある程度の費用は掛かりますが、自分で書く遺言書(自筆証書遺言)よりも安心、安全でとてもお勧めです。

今回、公正証書遺言の作成におけるメリットやデメリット、作成に必要な書類や作成の流れ、また公証人への手数料について纏めてみました。

 

自筆証書遺言と公正証書遺言のメリット・デメリット

メリット デメリット
自筆証書遺言 ・自分のタイミングで作成できる
・費用がかからない
・誰にも知られずに作成できる
・法務局への遺言書保管制度を利用すれば、紛失や偽造などを防ぐことができる
・法務局への保管により、家庭裁判所での検認が不要
・方式不備により無効になったり、遺言能力が争われたり、内容が不完全で遺言者の意図したとおりの効果が実現できないこともある
・法務局への保管がされていない場合、遺言書が紛失したり、偽造などの危険がある
・法務局への保管がされていなければ家庭裁判所での検認が必要
公正証書遺言 ・公証人が作成するので正確に遺言できる
・公証役場で保管されるので紛失や盗難の心配がなく、偽造などの恐れがない
・家庭裁判所における検認の手続きは必要ない
・相続手続きがすぐに始められる
・費用がある程度かかる
・手間や時間がかかる

 

公正証書遺言を作成する方式

公正証書遺言を作成する方式は、民法第969条に厳格に規定されています。

民法 第969条【公正証書遺言】
公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。

  1. 証人2人以上の立会いがあること。
  2. 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。
  3. 公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。
  4. 遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。
  5. 公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。

 

公正証書遺言作成の流れ

公証役場に相談

行政書士などに依頼して公証人に相談や作成の依頼をすることもできますし、遺言者やその親族の方が公証役場に連絡を取って、公証人に直接、遺言の相談や遺言書作成の依頼をすることもできます。

必要書類

・遺言者本人の3か月以内に発行された印鑑登録証明書
・遺言者と相続人との続柄が分かる戸籍謄本や除籍謄本
・財産を相続人以外の人に遺贈する場合には、その人の住民票
・不動産の相続の場合、その登記事項証明書(登記簿謄本)と、固定資産税納税通知書または固定資産評価証明書
・預貯金等の相続の場合、その預貯金通帳等またはその通帳のコピー

※公証人に相談する段階で、これらの資料が準備されていると、打合せがスムーズに進むそうです。

 

作成日時の調整・予約

公証人との相談を経て、公正証書遺言(案)が確定したら、公証人と遺言者、証人の手配を含めて、公正証書遺言の作成日時を調整し予約します。

 

証人について

 公正証書遺言を作成する際の証人については、民法第974条に規定されています。

民法 第974条【証人及び立会人の欠格事由】
次に掲げる者は、遺言の証人又は立会人となることができない。

  1. 未成年者
  2. 推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族
  3. 公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用

※証人2名の住民票も必要となります。
※適当な証人が見当たらない場合は、公証役場で証人を手配してくれるそうです。(この場合は、証人の住民票は不要です。)

 

作成当日

※証人以外は同席できません

  • 遺言者が公証人に対し、証人2名の前で、遺言内容を口述します。
  • 公証人が遺言書の原稿を、遺言者および証人2名に読み聞かせ、遺言の内容に間違いがないことを確認してもらいます。
  • 遺言の内容に間違いなければ、遺言者および証人2名が、公正証書遺言の原本に署名、押印をします。
    ※遺言者は実印(印鑑登録証明書により本人性の確認を行う場合)
  • 公証人が、公正証書遺言の原本に署名し、職印を押捺し、公正証書遺言が完成します。
  • 公証人手数料を支払い、公正証書遺言の正本・謄本をもらいます。

 

完成後の書類

  • 公正証書遺言の原本は公証役場に保管されます。
  • 公正証書の正本と謄本が渡されます。
  • 正本は原本と同一の効力を持つ書類となるため、遺言執行時に使用されます。
  • 謄本は原本の写しとなります。

 

公正証書遺言の手数料

※日本公証人連合会ホームページ参照
公正証書遺言の作成費用は、公証人手数料令という政令で定められています。

手数料算出の基準

遺言の目的である財産の価額により、手数料が定められています。

(公証人手数料令第9条別表)

目的の価額 手数料
100万円以下 5000円
100万円を超え200万円以下 7000円
200万円を超え500万円以下 11000円
500万円を超え1000万円以下 17000円
1000万円を超え3000万円以下 23000円
3000万円を超え5000万円以下 29000円
5000万円を超え1億円以下 43000円
1億円を超え3億円以下 4万3000円に超過額5000万円までごとに

1万3000円を加算した額

3億円を超え10億円以下 9万5000円に超過額5000万円までごとに

1万1000円を加算した額

10億円を超える場合 24万9000円に超過額5000万円までごとに

8000円を加算した額

  • 財産の相続または遺贈を受ける人ごとにその財産の価額を算出します。
  • 全体の財産が1億円以下のときは、手数料額に、1万1000 円が加算されます。(遺言加算)
  • 公正証書遺言原本作成に際して、その枚数が4枚(法務省令で定める横書きの公正証書にあっては、3枚)を超えるときは、超える1 枚ごとに250 円の手数料が加算されます。
    正本および謄本の交付については、枚数1枚につき250 円の割合の手数料が必要となります。
  • 祭祀主宰者の指定を遺言のなかで行った場合は、遺言の作成手数料に1万1000円が加算されます。
  • 遺言者が病気等で公証役場に来られないときは、公証人が病院等に赴いて、遺言公正証書を作成してくれます。この場合、50%増しの手数料と公証人の日当、および現地までの交通費が掛かります。

 

公証人手数料の参考

・夫婦と子供二人(長男・次男)の家庭において、夫が4,000万円の財産を妻に2,000万円、長男に1,000万円、次男に1,000万円相続させるケース
・遺言書の枚数が5枚(原本:2枚加算、正本:5枚、謄本:5枚)

→ 23,000円(妻分)+ 17,000円(長男)+ 17,000円(次男)+ 11,000円(遺言加算)+ 3,000円(遺言書枚数 12枚)= 71,000円 となります。

 

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